どんな大企業であっても、創業当時は社員がわずか数名であったり、6畳一間から起業する人もいる。そういう意味では、起業当時は誰もが「成功」を夢見ながらも、何も保証がないところからスタートする。だからこそ、起業当時の社長の理念はとても大事だ。
現在、グループ会社を何社も有し、海外へも事業展開している不動産会社、リスト株式会社の社長、北見尚之氏は、起業当時を振り返ってこう語る。
「ある会社で支店の開発を担当していた当時、頻繁に不動産会社とやり取りをしていました。そこで目の当たりしたのが、担当者の横柄な態度や頻繁な担当交代でした。そこで不動産業のサービスの悪さを痛感したものの、逆にそれらを反面教師とすれば、飛躍のチャンスがある業界だと思いました」
北見氏のすごいところは、そこでさっそく大手の不動産仲介会社に転職したこと。最前線の営業職に就き、「100本の契約ができたら、すぐに自分で不動産業を起業しよう」と心に決めたという。そして2年で100本の契約を達成し、26歳で独立。1991年にリスト株式会を設立した。
業界のマイナス部分を反面教師として「自分ならこのようにフォローする」という明確なビジョンをあったからこそ、あえて不動産業界へ勝負を打って出たところに、北見尚之社長の強みがある。
このように反面教師から学ぶことは多い。リスト株式会社のお客様の視点にたった徹底したサービスは、北見社長の創業理念に根ざしているのだ。