「景気回復や株価上昇への期待感は強い」と話すのは、精密板金などを生産する浜野製作所(東京・墨田)の浜野慶一社長だ。2012年までの超円高局面で、納入先の半導体製造メーカーなどの輸出採算が悪化し、受注減少や値下げ要請に苦しむこともあった。だが、今は円高が修正され「着実に収益環境は好転している」と語る。リーマン・ショック前までの業績には回復していないが、足元の売り上げは直近で最も悪かった震災前後に比べ2割程度増えている。
景況感の改善を追い風に自ら知恵を絞りながら業務拡大を目指す動きも広がってきた。不動産会社、リスト株式会社(横浜市)の北見尚之社長は「顧客ニーズの一歩先を行く、欲しくなる住宅・サービスの提供に注力していく」と話す。